450年前の室町時代。イケメンが『眠り』を売っていた。

西川創業450周年「ふとん男子」プロジェクトの経緯について

「ふとん男子」という言葉を聞いて、「なぜふとん屋さんで男子?」と疑問に思った人も多いと思います。

考えてみれば、今の時代のキーワードは“女性の社会進出”。オマケに同じ写真集であれば、美人の女性を見たいというのが、みなさんの本音だと思います。しかし、歴史を紐解くと、“ふとん”と“男子”は密接な関係にあることが分かります。ここでは、西川リビングの歴史を振り返りながら、この「ふとん男子」プロジェクトを行った経緯と、寝具を販売する大阪西川チェーン加盟店の寝具店の思いをご紹介させて頂ければと思います。
ふとん男子プロジェクト

「ふとん男子」を企画した西川リビングは、ご存じの通り、寝具を取り扱うメーカーとして多くの人が知る企業です。
しかし、創業は450年前という日本でも数少ない室町時代から続く老舗企業です。その当時は、お布団を販売していたのではなく、

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虫よけの“蚊帳”を取り扱っていたことは、
多くの人が知らないことでもあります。

さかのぼること450年前――西川リビングの創業者である西川仁右衛門は19歳で商売を始めて、1587年(天正15年)に近江八幡町にお店を構えます。その後、江戸の日本橋に支店を出した二代目甚五郎は、1626年(寛永3年)に、丈夫な麻生地で作った“八幡蚊帳”を作るようになります。そして、萌黄色(もえぎいろ)に染めたオシャレな蚊帳の販売をはじめます。

「眠る時も目覚めたときも、涼味あふれる萌黄色の緑の中にいると思えば、蚊帳を使う人の気持ちを和ませてくれて、爽快な気持ちにさせることができる」 顧客の気持ちを掴んだ萌黄色の八幡蚊帳は大当たり。またたく間に蚊帳の代名詞となり、全国に普及していきました。

そして1706年(宝永3年)、江戸町奉行より蚊帳問屋に指定されたことを機に、さらに西川家は蚊帳の販売を強化していきます。その当時、蚊帳の販売の主力となったのが“蚊帳売り”という男性の行商人でした。萌黄色の蚊帳を入れた天秤棒を二人で担いで、のんびり長い言葉で「もえぎのかや~」と呼び声をあげながら、町の中を売り歩いたそうです。この呼び声は“美声”が絶対条件となっており、初めて蚊帳売りをする男性は、美声を出す訓練を受けなければ行商に出してもらえないほどルールが厳しかったそうです。

そして、その美声による独特な販売方法は、夏の風物詩になるほど江戸の町民に大きなインパクトを与えました。その美声を聞くだけで“蚊帳売りが来た”と町人たちは判断して、多くの人が行商の元に集まりました。美声の男たちの売り子が、女性が好む“萌黄色”というロマンチックな色合いの蚊帳を売るとなると、蚊帳売りの男性は今でいう“イケメン”だったということは容易に想像がつくところだと思います。

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その後、江戸時代に畳表や弓の販売を手掛けた西川家は、
斬新な経営方法で事業を拡大していきます。

そして1876年(明治9年)に大阪市本町に西川リビング株式会社の前身である大阪店を開設。明治20年には蚊帳に加えて、ふとんの販売もスタートさせます。

夏は蚊帳を売り、冬はふとんを売る――ふとんと蚊帳の共通点は“眠り”そのものでした。このように睡眠に特化したバランスの取れた商品のラインナップにより、1年を通して商品が安定して売れるようになりました。のちに大阪店は株式会社大阪西川となり、さらに2004年には、西川リビング株式会社へ社名変更。ここから先は、寝具業界におけるリーディング・カンパニーとして成長を遂げていったことはみなさんのご周知のとおりです。

このように西川リビングの歴史を紐解くと、そこに萌黄色の蚊帳があり、その蚊帳を売っていたのが美声の持ち主の“イケメン男子”だったことが分かります。そして、今現在でも、寝具店の多くは男性スタッフが中心となって販売を行っており、手前味噌になりますが、各店にイケメンの販売員が多いのも、この業界の特徴と言えます。

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「これを機に、もう一度、
男性にスポットを当ててみよう」

企業として450年の社史を振り返る中で、ある社員が何気なく言った一言が「ふとん男子」プロジェクトのきっかけでした。「最近の男は元気がない!」と言われている昨今、寝具に男のロマンと夢をかける“ふとん男子”がいることを、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、このプロジェクトを立ち上げました。

かっこよくポーズを決めたり、モデルのような笑顔をしたりすることは、彼らの本職ではありません。正直、撮影後のアンケート調査でも「恥ずかしかった」と答える人が大半を占めました。しかし、それでも、このようなプロジェクトを行ったことは、この寝具業界を少しでも多くの人に理解してもらいたいという、ふとんを売る男たちの熱い思いがあったからです。江戸時代の行商人のように、天秤棒も担いでなければ、美声も出しません。おまけに美男子でもありません。でも、商品に対する熱い思いは、450年前と変わりません。そのことを理解したうえで、この「ふとん男子」を見ていただければ、また違った楽しみ方ができると思います。 「ふとん男子」の男気を、ぜひご覧ください――。

「ふとん男子」プロジェクトチーム一同より

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